本の話は置いといて、その二
🟠しんしん:【本の話は置いといて】、その二です。
🔵にったん:なかなか止まらないね、いろいろ。
🟠しんしん:エプスタインの話も、ダークウェブの話も、怖いですね。
🔵にったん:なんでこんなことすんねんってね。
🟠しんしん:やっぱり、本を読んで知見が広がるっていう経験をしますよね。知的余暇活動。
🔵にったん:死ぬまでこういう状態なんでしょうね。
🟠しんしん:読み終わらないから。
🔵にったん:自分が読み終わるまでに、次が出てくるから。
🟠しんしん:新作が出てくる。
🔵にったん:来世までかかる気がするんだけど。
🟠しんしん:来世でも終わんねえよ。
二周目が面白かった
🟠しんしん:今日話したいのは、二周目が面白かったっていう話です。
🔵にったん:どうぞ。何の二周目にいったの?
🟠しんしん:一穂ミチさんの『恋とか愛とかやさしさなら』。最初はAudibleに入ってすぐの頃に読んだんですよね。誰も救われないような話だったからさ。
🔵にったん:そうね。なんかわかる。
🟠しんしん:一周目は、鬱展開ばっかりが強調された感じだった。でも二回目になると、「あ、なるほど」って思えることが多くて。
🔵にったん:問いを立てた?
🟠しんしん:優しさって何なんですか、って。許して一緒にいることが優しさなんですか、とか。別れることも優しさなんですか、とか。そういう視点で読んでいたら、すごくしっくりきたんですよね。タイトル通り、恋とか愛とか優しさっていうものは何なんだろうっていうのを、お互いが歩み寄って見つけようとしている姿が見えたんですよ。
🔵にったん:へえ。
🟠しんしん:それで、よかったなって思ったんです。どうしても、プロポーズした翌日に彼氏が盗撮する、っていうショッキングなところがフィーチャーされがちで。
🔵にったん:そうだね。すごいよね、あれ。
🟠しんしん:一周目はその強烈なものが残ったまま最後まで行っちゃったから、鬱展開のバッドエンドみたいに見えちゃった。でも「じゃあ、それって何なんだろうね」って問いを立てたら、すごくいい作品に見えてきたなって感じ。
🔵にったん:一周目じゃ、そこまではちょっとね。
🟠しんしん:話を追うのでいっぱいいっぱいだよね。
🔵にったん:最後どういうハッピーエンドになるんやろ、と思って読んでいってたけど。ガーンって。
🟠しんしん:ガーン。
🔵にったん:えー、くそーっていう。
🟠しんしん:そっちが強調されちゃうよね、どうしても。
🔵にったん:『恋とか愛とか』は、もう一回読んでもいいかなっていう感じ。
🟠しんしん:短いしね。等倍で六、七時間ぐらいかな。
刺さらないものは、二周しても刺さらない
🟠しんしん:ちょっと違和感があった作品って、二周してみると実は、ってこともある。ただ、そのまま違和感が残って、結局私には刺さらないっていうのもある。
🔵にったん:ただの違和感やった、と。
🟠しんしん:村田沙耶香さんの『消滅世界』は、二周しても刺さらなかった。
🔵にったん:二周目いったの?
🟠しんしん:いった。刺さらないものは刺さらない。しょうがないよね。
🔵にったん:それはね。
『イン・ザ・メガチャーチ』と推し活
🟠しんしん:朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』も二周した。
🔵にったん:私が刺さらなかったやつだ。
🟠しんしん:推し活にハマる人、推し活を仕掛ける人、推しを失う人。その三人の話。一周目は仕掛ける側の話が刺さったんですけど、二周しても、結局そっちを深掘りしただけだった。
🔵にったん:話はよくわかったけど、ここまでハマるかねっていう。
🟠しんしん:それもあるかもね。
🔵にったん:推しにハマりすぎて、周りにめちゃめちゃおすすめしたり、グッズやCDを買いまくったり。ああいうのは実際あるんやろうなと思ったけど。
🟠しんしん:正直、宗教活動もそういうことだと思うけど。
🔵にったん:メガチャーチっていうのも、そういう話になってくるしね。
🟠しんしん:本が売れた影響もあるのか、推し活っていう話をよく聞きますね。でも、これだけ本にハマると、作家先生としゃべりたいとか。
🔵にったん:それはめっちゃわかる。
作家先生の話を聞きたい
🔵にったん:この間、一穂ミチさんの講演会、絶対行ったろうと思ったのに。まさか一瞬で定員になって、申し込めないという最悪の事態。
🟠しんしん:行きたいよね。
🔵にったん:百五十人って書いてたから、全然いけるやんって思ったけど。一瞬で埋まった。
🟠しんしん:読書関係って、パイが少なそうというか。そんなにいっぱいいるイメージがないけど。
🔵にったん:作家先生を見たい人って、ちょっと変わりもんじゃない?
🟠しんしん:変わりもんや。
🔵にったん:でも普通に、作家先生の講演会行きたい。聞きたい。
🟠しんしん:この間ね、地元に作家先生が来たんですよ。
🔵にったん:誰?
🟠しんしん:角田光代さんって方なんですけど……いや、違うな。門井慶喜さんだ。『銀河鉄道の父』で直木賞を取ってる人。群馬の桐生市、私の隣町の出身で。
🔵にったん:へえ。
🟠しんしん:地元で講演してたらしいんですけど。行きたかったけどな。
🔵にったん:実際、有名な作家さんとしゃべったことも、見たこともないなあ。
🟠しんしん:ないないない。
🔵にったん:顔バレしてないだろうから、普通にうろうろしてるんやろうけどね。こっちが気づかんだけで。
🟠しんしん:大阪で活動してる人、いっぱいいるし。
🔵にったん:一穂さんもそうやし。場所を選ばへんのかな。
🟠しんしん:場所を選ばないのが強い。いつかさ、パパ育のイベントに来てくれないかな?
🔵にったん:私も思ったんやけど、瀬尾まいこさんとか来てくれないかな。
🟠しんしん:育児してそうな人。育児ネタで。
🔵にったん:自分たちが話を聞きたい人で、枠を立ててもいいかもね。
🟠しんしん:いいかも。
🔵にったん:やってみようか。
🟠しんしん:それこそ、辻村深月先生。お子さんいるみたい。
🔵にったん:めっちゃ高そう。
🟠しんしん:高えな。
🔵にったん:予算のあれもあるんでね。
『ファイア・ドーム』を今すぐ
🟠しんしん:辻村深月さんって、ちょっとSFが入るんですよ。ドラえもんがめっちゃ好きで、映画の脚本も一度やったことがある。
🔵にったん:へえ。
🟠しんしん:でも『ファイア・ドーム』は、正直、辻村深月っぽくない。ゴリゴリの現実の話。
🔵にったん:『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』みたいな感じ?
🟠しんしん:そっちタイプ。本格ミステリーって感じかな。宮部みゆきさんの作品に近い読後感で、ものすごく似てる。
🔵にったん:社会課題もあるって言ってたよね。
🟠しんしん:ある、もちろん。社会課題があるがゆえに、人がちょっと道を間違っちゃったんだよな。
🔵にったん:へえ。
🟠しんしん:ネタバレになるから言えないけど。いや、よかったね、『ファイア・ドーム』。
🔵にったん:くそー、時間。
🟠しんしん:上巻の途中ぐらいから、みんなに「今すぐポチるか、五千円握りしめて本屋さんに行ってください」って言ってたけど。全部読み終えて言えることは、今すぐです。今すぐ。ポチ。
🔵にったん:上げるなあ。
🟠しんしん:上げるよ。すっごいよかった。
🔵にったん:そんなに?
🟠しんしん:ミステリー好きな人なら大丈夫。今年の一位は『彼女は頭が悪いから』だって言ってたじゃない。これは超えないかな。ただ、肉薄はした。
🔵にったん:そこまで。
🟠しんしん:ティア表で言ったら、間違いなくティアワン。一番上のランク。
🔵にったん:頑張ろう。
あの子たちは、今どうしているんだろう
🟠しんしん:『彼女は頭が悪いから』も、二周目いきたいなぐらい。
🔵にったん:あれもいいかもね、二周目。
🟠しんしん:あれも気持ち悪いまま終わるしな。実際の事件がモチーフだしな。ひでえ話だよ。
🔵にったん:あの子たちが今どうなってんのか、知りたいけどね。アフターストーリーみたいな。……無理か。
🟠しんしん:何事もなかったかのように過ごすことは、たぶんできないのかな。どこかしら心の引っかかりを抱えながら。
🔵にったん:それってどんなつらい人生なんやろっていう。
🟠しんしん:いじめとか悪ノリとか、学生のときにはああいうノリがあったりするじゃない。でも社会に出ると、そういう人に対してすごく冷たいよね。
🔵にったん:社会はね。
🟠しんしん:社会に出たら、通用しなくなるよ。私たちも親です。もし子どもがそういう場面に居合わせたり、そういう側になっちゃったりしたら。どう過ごしていくか、考えないといけないのかもわかんないけどね。
🔵にったん:つらいなあ。
🟠しんしん:まあ、そんなとこですね。
🔵にったん:ありがとう。
🟠しんしん:次は『ファイア・ドーム』を読み終わったら。読んでください。絶対損させない。
🔵にったん:わかりました。
🟠しんしん:じゃあまたね。また次の機会に。
🔵にったん:おやすみなさい。
🟠しんしん:おやすみなさい。いい夜を。



