催眠(トランス)誘導

 トランス、あるいは催眠と呼ばれる状態は、日常的な活動の意識状態とは異なる意識状態、つまり「変性意識状態」のひとつです。

 私たちは、普段の生活の中でもトランス状態を経験しています。読書をしているとき、テレビドラマや映画を見ているとき、スポーツや遊びに興じているとき。本や映画に感動して涙を流したり、笑ったり、あるいは時間を忘れるほど何かに集中したりすることがあるはずです。それも、トランスのひとつの形です。

 人には、顕在意識(自覚している意識)と潜在意識(自覚していない、無意識の領域)の間に、「クリティカル・ファカルティ」というフィルターがあります。これは、入ってくる情報が現実か非現実かを判断する、いわば「心の門番」のようなものです。トランスに入ると、このフィルターが緩み、潜在意識に働きかけやすくなります。その結果、様々なメッセージを受け入れやすくなり、変化をより起こしやすくなります。また、直観力や想像力、集中力なども高まり、今まで意識することがなかった、自分の中にある役立つ力(リソース)を引き出すことにもつながります。

ベータ波:覚醒した状態、催眠誘導を行うときの初期の段階
思考する、判断する、計算するなど、日常的な活動をしているときの状態。
アルファ波:軽いトランス状態。選別的思考。何か一つのことに意識を集中できる。
リラックスしている状態。集中力や想像力が高まる。知覚が鋭敏になる。
シータ波:中程度のトランス状態。トランスが深化して、深くリラックスする状態。
浅い睡眠。交感神経が抑制される。インスピレーションが高まる。
デルタ波:深い催眠段階。催眠性睡眠の状態。夢を見る。脳内活動の休息。
学習は進んでいないと考えられている。
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トランス誘導における重要なポイント

 相手をトランス状態に誘導するときには、次の4つのポイントが重要になります。

イントネーションと印象

 イントネーションとは、声の高低の変化を意味し、抑揚・音調などと呼ばれます。私たちは日常生活において、ごく自然に、意識的あるいは無意識的にこれを活用しています。

 専門的には、単語レベルの音の高低を「アクセント」といい、文章全体の音の高低を「イントネーション」と言います。

 イントネーションを意識して使い分けることで、より明確に、そして効果的に相手とのコミュニケーションを図ることができます。具体的には、次の3つのパターンがあります。

イントネーションの3つのパターン

 質問するときは語尾を上げ、何かを述べるときは平坦に、命令するときは語尾を下げる。この使い分けを意識するだけでも、相手に伝わる印象は大きく変わります。

トランス誘導の流れ

ペーシングからリーディング、相手を引き込む状況を整える
深化:催眠を深め、メッセージをインストールしていく
覚醒:催眠で得たリソースを持ったまま、日常的な意識状態に戻す

 催眠誘導における具体的な言葉の使い方(ミルトンモデル)については、別の記事で詳しく解説しています。


【ワーク】トランスについて考える
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【ワーク】催眠誘導
ミルトンモデルを使って、相手をトランス状態にしてみましょう。

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