メタモデル

メタモデルとは、情報を回復させ、体験をより完全に具体化させる言語パターンです。

人は、外部情報を取り込む際、個々に自己のフィルターを通して、その情報に対して、削除・歪曲・一般化を行います。つまり、この時点で情報は完全なものではなくなるのです。そして、外部に表現していくときも同じプロセスを辿ります。

メタモデルは、フィルタリングされた情報を回復させることで、相手の世界についての表象が具体化あるいは明確化して、自分のリソース(資源・資質)に気付き、必要なものとそうでないものに区別する助けとなります。

前述のように、削除・歪曲・一般化された言語パターンをメタモデル違反と呼びます。そして、メタモデル違反に対して、主に下記のような質問が用いられます。

質問例:

・誰が?/何が?/何を?/どこで?/いつ?/どのように?(何故?は除く)

・誰と?/何と比べて?/誰と比べて?

・どのようにして、それが分かるのですか?

・一度もありませんか?/一度もしませんでしたか?

・もし~したら、どうなりますか?/~しなかったら、どうなりますか?

・何がそう思わせていますか?などなど

※何故・・・「何故」という言葉は、基本的には使用しません。チャンクが大きいため答えの幅が大きくなり、また、相手は責められている印象を受け、結果として言い訳しか出てこないことが多いためです。

その人が話したいことに関して、意図的に用いると効果的な場合があります。

私達は、日本語を話す(あるいは読む)際に、それが具体的かつ明確化された適正な文章であるものとそうではないものを矛盾がないように直感的に区別できます。

メタモデルは相手の乏しい言語表象を理解し変化させる明瞭な方法であり、その効果は、「矛盾のない適正さ」、メタモデル違反の回復によって導き出されます。

◆削除(省略)

・一般(単純)削除:情報が失われている、又は不十分なまま述べられている

(例:仕事、家庭、成功、失敗など)

・比較削除:評価の基準が失われている

(例:最悪、最低など)

・指示詞の欠如:詳細が不明な代名詞

(例:男、女、社会、周りの人、それ、あれなど)

・不特定動詞:全ての動詞

・名詞化:動作が名詞(モノ)になることで、プロセスや行動が曖昧になる。

◆歪曲

・複合等価:結果はいつも同じという思い込みに基づく A(事実)=B(意見)

(例:背が低い人は生意気だ)

・因果関係:特定の刺激が、特定の体験の原因になる A⇒B

(例:雨が降ると気が滅入る)

・マインド・リーディング:他者が何を考え、感じているのかなどを、自分が分かると思い込む、あるいはその逆も指す。

(例:あなたのことをわかっている、あなたは私のことを理解している)

・ロスト・パフォーマティブ(価値判断者の消失):主張の出所が失われている価値判断や意見

(例:早起きはいいことだ)

◆一般化

・全称限定詞:例外や代わりとなる選択肢を排除する言葉

(例:いつも、絶対など)

・必要性/可能性のモダルオペレーター:選択肢が1つしか、あるいは全く無いことを暗示する言葉

(例:~できない、~しなければならないなど)

・前提:文章を理解するために暗黙のうちに要求されていること

(例:調子が良ければ、試合に勝てたのに、など)

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