天気予報は、毎日かかさず確認する。雨や雪の日には通知がくる設定もしている。子どものお迎えがあるから、天気には人一倍敏感だ。「備えている父親」として、自分ではそう思っていた。
ある朝、パパ育コミュの運営仲間・ブロウさんと別件でLINEのやりとりをしていた。その流れで、ひとこと添えられていた。
「今日、道が凍ってこけた。痛い」
用件のついでの、短いひとこと。それだけだった。
その朝、子どもを電動自転車に乗せて保育園へむかった。ブロウさんの言葉が頭にあったから、いつもよりそっとペダルをこいだ。滑らずに済んだ。
ふと思った。あの一言がなかったら、気づかず滑っていたかもしれない。子どもを乗せたまま。
天気予報アプリが教えてくれるのは、気温と降水確率だけだ。「今朝、道が凍っていて痛かった」という情報は、どのアプリにも載っていない。感情のついた、リアルな情報。それは、人にしか届けられない。
コミュニティというものを、なんとなく「居心地のいい場所」だと思っていた。同じ方向をむいた仲間がいて、悩みを話せて、はげまし合える場所。そういうイメージだった。
でも、違った。コミュニティとは、自分ひとりでは絶対に取れない情報が流れてくる場所だった。いわば、これ以上ない天気予報だ。
ブロウさんには、特になにも返信しなかった。「おかげで滑らずに済んだよ」とも言っていない。でも今朝、たしかに守られていた。

