今、家族で見ているアニメが古い価値観で作られていて、家族でどのように視聴すればよいか悩んでいます。
ご相談内容
「7歳の子どもがある人気アニメを好んで視聴していますが、過去の制作におけるジェンダーに関する表現が気になります。具体的には、「父が外で働くべき。母は家で家事育児をすべき」などです。また、近年放送中の別のアニメについては比較的良好だと感じています。
夫婦の意見の違い
男と女に関わらず、夫婦として一緒になった以上、意見が異なることは自然です。「男だからこうしろ」「女だからこうすべきではない」といった決めつけや偏見は、自分の子供にも同じような影響を与え、別の環境で育った人たちにも偏見を押し付けることとなり、嫌悪感を与えることになりかねません。
生物的な男の特徴や女の特徴は存在し、それを認めることは重要です。たとえば、男性が力を発揮することや、女性が外見に気を使うことは自然なことで、称賛することに何の問題もありません。しかし、それを「男らしさ」や「女らしさ」として押し付けるのは間違いです。
時代の価値観と古い作品
時代によって価値観は変わります。古いアニメにはその時代のジェンダー観が反映されていることがあります。子どもと一緒にそうした作品を見るときは、「昔はこうだった」「私たちは今こう考えている」という価値観の違いを説明することが重要です。
良いもの、悪いものの判断
「良い」ものや「悪い」ものの判断は目的や状況によって変わります。アニメを通じて子どもに「これは面白いとパパは思うよ」「これはあまり好きじゃないな」「○○ちゃんはどう思った?」と意見を尊重することが大切です。
ビリーフの重要性
この相談内容に関連するのは、NLPにおけるビリーフ(信念)の概念です。ビリーフとは、現実や事実が起こった際に、その事実に基づいて意見や感情が巻き起こることを信じている状態です。具体的には、現実をA、意見や感情をBとすると、Aが起こると必ずBが生じるという思い込みのことです。
例
例えば、雨が降ると気分が悪くなると信じている場合、Aは「雨が降る」、Bは「気分が悪くなる」という具合です。しかし、この反応は全ての人に当てはまるわけではありません。雨が好きな人もいれば、何も感じない人もいるのです。このような思い込みがビリーフです。
多くの人は様々なビリーフを持っていますが、中には不要なビリーフも多く存在します。NLPでは、これらの不要なビリーフを見つけ出し、AとBの繋がりを緩めたり、壊したり、変えたりすることによって、不要な思い込みを捨て、行きたい方向に向かう助けになります。たとえば、雨が降ったからといって必ずしも気分が落ち込むわけではないことに気づくことで、「雨が降っても楽しく過ごせる」という新しいビリーフを育むことができるのです。
現在の価値観に合わせることばかりに固執すると、自由な表現や多様性が失われる恐れがあります。差別や暴力を推奨する内容は避けるべきですが、何を「良い」と感じるかは子どもの成長過程での重要な学びです。
子供はまだ疑う力が弱い
子どもは一般的に疑う力が弱く、周囲からの影響を受けやすい存在です。特に、ビリーフ(信念)に関しては、一度言われただけでその信念が身につくわけではなく、繰り返し強調されることや強烈なインパクトが必要です。
大人はさまざまな経験を通じて多くのビリーフを持ち、それに基づいて判断を下すことができるため、物事に対して疑問を抱いたり、異なる視点から考える力が備わっています。しかし、子どもはまだそのような能力が十分に発達していないため、親や周囲の大人が言うことを基本的に疑わず、逆らったり反発したりすることも難しいのが現状です。
このような状況下では、大人からのビリーフがそのまま子どもに入っていきやすく、特に注意が必要となります。親や周囲の大人が持つ信念や価値観は、子どもに大きな影響を与えるため、意識的に言葉を選び、価値観を伝えることが求められます。子どもが健全に成長するためには、彼らが自分の考えを持つことができるような環境を整えることが重要です。