推進システム
推進システムとは、NLPの概念の一つです。ためらっているところからGo for it!(目標に向かって突き進む)の状態へと進ませたり、Away from(嫌なことを避ける)からToward(目標に向かって進む)へと向かわせる様々な方法やスキルです。
人は時に、躊躇して立ち止まったり、不安になったり、怠けたくなったりなど、行く手に壁が立ちはだかっているように感じることがあります。どんなに魅力的な未来のヴィジョンを描いていたとしても、そこに到達するには、あまりにも道のりが遠いように思われることもあるかもしれません。
リチャード・バンドラー博士は、人がどんな状態にあっても望ましい状態に向かう力が与えられることを意図してこの推進システムを考えました。それは、NLPのコンセプトとパターンをインストールすることを意味しています。ネガティブな状態だと、すぐにポジティブなフィーリングを感じるように推進され、ポジティブな状態だと、さらにポジティブなフィーリングを感じるように推進されます。
バンドラー博士自身、セッションにも、セミナーの進行全体にも、この推進システムを活用しています。推進システムを導入することによって、モチベーションを維持し、何があっても前向きに進めるようになります。推進システムとは、パワフルなモチベーションとステイトチェンジを決定づける内側のストラテジーなので、前に進む機動力を持った強力なエンジンを搭載するようなものです。
推進システムは、NLPのさまざまなスキルの活用によって、インストールされます。
2つの方向性
推進システムには、二つの方向性があります。①パワフルなモチベーションの推進と、②ステイトチェンジを決定づける内側のストラテジーです。
1)パワフルなモチベーションの推進(ポジティブから、もっとポジティブへ)
①モチベーションと決断のステイトを引き出し、アンカーをかけます。(アンカーa)
②もっとパワフルなモチベーションのステイトを引き出し、アンカーをかけます。(アンカーb)
③アンカーaを発火し、それが薄くなり始めると同時にすぐにアンカーbを発火してください。
あなたは、最初のポジティブなステイトが薄くなってきた時のために、パワフルなアンカーを設定することで薄くなることのない継続的なモチベーションシステムを作っています。
2)フィーリングを変える(ネガティブから、ポジティブへ)
①ネガティブなステイトを引き出し、アンカーをかけます。
②パワフルでポジティブなステイトを引き出し、アンカーをかけます。
③ネガティブなアンカーを発火するやいなや、すぐにポジティブなアンカーを発火します。2つの間にチェイニングアンカーをつくります。
あなたは、彼らがネガティブなフィーリングを体験するときに、すぐにポジティブなフィーリングに推進されるように継続的なシステムを作っているのです。
推進システムの言語的な形態は、「すればするほどパターン(The more, the more pattern)」です。これは、あなたが「Xが起これば起こるほど、Yが起こる」と話す時のことです。
推進システムの5つのレベル
自信がない、不安であるなどの理由で躊躇しているために行動できない状態から、「さあやろう!(Go for it!)」の状態にいきなり進むのは、少し難しいように感じると思います。
そんなときに、チェイニングアンカーとネスティッド・ループを合わせた推進システムがあります。リチャード・バンドラー博士は、大いにそれを活用しており、その推進システムがインストールされることによって、聴き手は、躊躇した途端にやる気が出るという状態になり、素晴らしく価値のあるゴールやビジョンに向かって、意識を高く保ちながら進むことができるのです。
①躊躇(Hesitation)
やる気のなさや、不安などによって、ためらってしまう状態。
②フラストレーション(Frustration)
行動ができていない自分にフラストレーションがたまってくる状態。
③イライラ・我慢できない(Impatience)
そういう自分に我慢ができなくなりイライラしてくる状態。
④強い願望(Wanton Desire)
違う状態になりたいという欲求が生まれ、それが何かを考えれば考えるほど、魅力的だと感じる状態。
⑤さあ、やろう!(Go For It)
強く渇望し始めて、それを手に入れずにはいられないほどになり、ただ「さあ、やろう!Go For It!」とならずにはいられなくなる状態。