意図的なマルチレベルコミュニケーション
私たちは、NLPのマスタープラクティショナーとして、意図的にマルチレベルでコミュニケーションを取ることができます。このスキルを使うことで、意識レベルで特定の情報を伝えると同時に、潜在意識にはメッセージ、ビリーフ、ステイト、リソースなどを多層的に伝えることが可能です。
洗練されたコミュニケーション
プラクティショナーとして学んだ様々なスキルや言語パターンを効果的に組み合わせることで、相手にスムーズにメッセージを伝えることができます。その結果、知らず知らずのうちに聞き手を良い気分にさせたり、本人にとって望ましい方向に導くことができます。
重要な要素
効果的なマルチレベルコミュニケーションのためには、以下の要素が重要です:
- 当語(適切な言葉の選択)
- 声のトーン
- 語尾
- ピッチ
- テンポ
- リズム
- メタファー
- ボディランゲージ
- 間を空ける
これらの要素や方法を統合的に使うことで、意図を正確に伝えることが可能になります。もし、言語や非言語のどこかに不一致感があると、聞き手は無意識にそれを察知し、あなたの意図が伝わらないことがあります。したがって、これらすべての要素が一致している状態で伝えることで、より効果的なコミュニケーションが実現します。
リチャード・バンドラー博士のセミナー
リチャード・バンドラー博士がセミナー中にノートを取ることを推奨しないのは、トレーナーがマルチレベルで内容を伝えているからです。特定の言葉やフレーズのトーン、ピッチ、ボリュームを変えることで、その部分がアナログマーキングされ、潜在意識に深く届くメッセージとなります。
例えば、「ジョージは、『すごく一生懸命NLPを練習する必要はない』って言ったんだよ」というフレーズで、太字部分をアナログマーキングすることで、潜在意識に特定のメッセージが伝わります。
マスタープラクティショナーのスキル
マスタープラクティショナーのトレーニングでは、言語パターン、トランス誘導、メタファー、ストーリーなどを組み合わせながら、マルチレベルで伝える質をさらに高めるスキルを学びます。また、非言語のレベルにおいても、例えば、ゆっくりとしたリズムで話すことで、リラックスした催眠に似たステイトを生み出すことができます。一方、大きな声で早口で話すと、興奮した切迫感のあるステイトを生み出しやすくなります。
非言語コミュニケーションエクササイズ
言語以外の多様な非言語コミュニケーションを使うと、聞き手のステイト(心理状態)も変化します。その変化に気づくことで、より効果的なマルチレベルコミュニケーションが可能になります。
エクササイズの手順
- 2~3人のグループで行います。Aが話し手、Bが聞き手、Cが監督者(場合によってはBがCを兼任することもあります)。
- AはBに対して、3分間、何でも好きな話をします。Bはその話を続け、Cはフィードバックを担当します。
- Aは、以下の要素を意識しながら話します。
- テンポ(速く、ゆっくり)
- ポーズ(停止と再開)
- ボリューム(声の大きさ)
- CはAに対してフィードバックを行い、Aはそのフィードバックを元に改善します。
このエクササイズを通じて、マルチレベルでのコミュニケーションを実際に体験し、スキルを磨くことができます。