NLPを使うものとして気を付けたいこと10選

NLPだけではなく、心理学やコミュニケーションを学びはじめた頃はとても楽しい。ただ、実践し始めると少しずつうまくいかなかったり、逆に「…なにやってるんですか?」みたいな白い目で見られて怪しまれたり…。最近ちょっとなんだかうまくいかないな?とか、もっとうまくいかせたいな、と思い始めた方にはお勧めの記事です。それは、実践し続けてきたからこそ陥ってしまう罠です。

クライアントを守ろうとしていますか?

 ついつい知識やテクニックが興味深く面白くて、相手のためを思ってしようという気持ちよりも、自分が楽しかったり、相手を変えてやろうという自我みたいなものが出てきてしまうものです。
 守るといいましたが、何も敵の攻撃から身を守るというわけではなく、相手が不快な気持ちにならないように配慮をしてあげることを一番に考えているか、といった意味合いです。

 ラポールの一つの見方で、「この人といれば自分の生存確率が上がりそう」と錯覚させることが重要です。

クライアントを守ろうとしていることが、相手に伝わるように具体的な行動をしていますか?

 一言で守るといっても、フェンスを作って囲うわけでもなく、「あなたを守ります!」と意気込めばいいわけではありません。
 むしろそんなことをされたら、「え?この場所であなたと喋ることは、何か危険なことがあるのですか…?」と逆に身を固くしますよね。

自分が何をするのかを明確ですか?占い師なのか、コンサルタントなのか?

心理学や関連分野を学び始めたばかりの人にとって、テクニックを行うことばかりに意識が行くという落とし穴があります。

例えば、 なんの知ら調べもせず、あてずっぽうで「あなたは感情に任せて人にきつく当たって後悔することがありますね」などと言ったとします。
いきなり心理分析を投げかける行為は、相手を戸惑わせ、心を開いてもらうどころか、不信感を抱かせてしまう可能性があります。

外れてしまえばまだしも、分析結果が当たってしまった場合、相手は恐怖を感じ、あなたへの信頼を失ってしまう可能性もあります。

では、どうすれば良いのでしょうか?
まず、大切なのは、自分の立場を明確にすることです。 あなたは、占い師なのか、コンサルタントなのか、それともただの友人なのか? どのような立場で相手に接しているのかを明確にすることで、相手はあなたの言動を理解しやすくなり、安心して話を聞いてくれるようになります。

次に、なぜ自分が分析できるのか、性格を言い当てられるのかを説明する必要があります。
専門的な知識や経験に基づいているのか、それとも直感的なものなのか? 根拠を明確にすることで、相手はあなたの分析を信頼しやすくなります。

そして、最も重要なのは、相手との信頼関係を築くことです。 相手の話に共感し、尊重する姿勢を示すことが大切です。 心理分析はあくまでも補助的なツールであり、相手を理解し、寄り添うことが最優先であることを忘れないようにしましょう。

ちょうどいい”ビリーバビリティ”を設定をする。ありえなさ過ぎても、当然すぎてもダメ。

自分が何者かを分かっていただく時に、ビリーバビリティも重要です。
ビリーバビリティとは、人の「信じる力」を表す概念です。ある情報や事柄を真実だと受け入れる傾向を指し、個人差や状況によって大きく変化します。

人は、あり得ない話やあまりに当たり前すぎる話を信用しません。これは、私たちが持つ「情報の整合性への欲求」によるものです。整合性のない情報は、脳にとって処理しにくいため、拒否してしまうのです。

例えば、私はメンタルトレーナーをしていますが、「大谷翔平選手のサポートをしています」というと、「それはないでしょう!」となります。また、「講座を受講して資格を取ったトレーナーです」というと、「まぁそんなもんか」ぐらいであまりヒットしません。

「3人の子どもを育てているうちに、ただの心理学だと思っていましたが、なにかこう…理屈だけでは説明が付けられない不思議な体験をすることがあって、それを妻と共有していくうちに出来上がりつつある理論をお伝えしています」と言った感じでしょうか。もちろん、相手によって変えていきます。

クライアントが話したいことを話させる

確かに、専門家として、私たちは相手よりも多くの知識や経験を持っています。しかし、真のコミュニケーションにおいて、常に自分が優位に立つ必要はありません。 むしろ、クライアントが話したいことを 「話してもらう」ことが重要です。

なぜなら、人は自分の話を聞いてもらえると、安心感や信頼感を得ることができます。 そして、安心して話せる相手だからこそ、心の奥底にある悩みや課題を打ち明けることができるのです。

もちろん、 必要な知識やアドバイスを提供 することも大切です。 しかし、それはあくまでも、クライアントが求めていることを理解した上で、 適切なタイミングで行うべきです。

クライアントが聞きたがっていることを話す。「You're right‼」「You're nice‼」

どうしても我々心理を学ぶものは、説教を垂れてしまったり、アドバイスをしようとしたり、ダメ出しをしてしまいたくなります。
でも、クライアントが聞きたいことというのは、「あなたが正しい」「あなたって素敵」「あなたって最高!」が聞きたいのです。
そのまま言葉で口にするかもしれませんし、その気持ちが伝わるような言動を取ります。

決して、「もっと頑張れ」「私の方が賢い」「全然だめだ」なんて言われたくはないのです。

観察を怠らない。目に見えるところも気づけないのに、目に見えないところには気づけない。

心理を学んでいるものは、ついつい思考や感情にフォーカスしがちです。ただ、相手の思考や感情は、外見にも表れます。それらを見落としているようでは、相手の心の中を観察することなど、到底出来はしないのです。

相手の髪型、服装、立ち居振る舞いなど…それを注意深く観察をしましょう。ただ見て記憶して、次に会ったときにその変化にも注目しましょう。

そうすると、相手に対する興味や関心が沸いてきます。興味関心を持ってくれた人に対して、私たちは好意を抱きます。

話の内容を茶化さない。外れようがあたろうが、真剣に話しているというステイトで。

もちろん、NLPは万能ではありません。トレーナーも相手も人間です。トランス状態になって何かインストールしようとしたからと言って、必ず変わるわけではない。その時に、へらへらしない。クライアントと一緒になって、なぜ変わらなかったのか…?何がブレーキをかけているのか…?と、真剣に考える。そのステイトが相手を変える。「こんなに真剣に親身になって考えてくれているトレーナーのために変わりたい!」そう思えたときに成果が出てくるのです。あくまでも、【共同作業】なのです。

テクニックそのものに善悪はない。罪悪感を持つべきではない。

ここまでお話をしても、どうしても人と人とのつながり、人間関係をよくしようとしているのに、テクニックを学ぶことに罪悪感を持たれる方は多くいます。あるいは、こんなことを学んだって何の意味もない、心と心でぶつかれ!というのです。しかしそういう人たちは、結局人間関係でつまづくと、本やネットで情報を見るのです。どっちつかずなのです。

我々も、実際にセッションをするときは、いちいちテクニックのことなど気にしてはいません。前述の通り、クライアントと一緒になってゴールを探します。
ただ、よりよいゴール達成をするときや、クライアントと言いラポールを築くためのトレーニングをする必要もあり、そのトレーニングの時には徹底的に頭を使って考えたり、同じテクニックばかり練習したり、複合的に意識して練習することも多々あります。意識しなくてもできるようになるまで。

テクニックそのものに善悪はありません。包丁は人と刺すことにも使えるし、おいしい料理を作るために使うこともできます。

最後は、さわやかに終わらせる。勇気を持って行動させる。

催眠と聞くと、何か怪しいものを想像される方も多くいます。もちろん、恐怖でもって相手をコントロールして、自分の商品を買わせ続けようとする悪い人もいるでしょう。
我々は決してそうであってはいけません。

とてもいい気分でセッションを終えてもらい、次にとるアクションが分かっている状態が望ましいでしょう。そうなれば、もうクライアントが悩んだ顔で相談しに来ることはもうなくなるでしょう。

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