リアリティ・スタッキング
すでに学んできたように、顕在意識が軽く混乱した状態になることによって、必要なメッセージが、潜在意識に伝わり、望む変化が起こりやすくなります。
オーバーロード(過負荷)
ジョージ・ミラーは、彼の論文「マジックナンバー7±2」において、人間と動物両方の知覚についての膨大な量の研究を要約してまとめあげました。その中で彼が結論づけたのは、人間は一般的に一度におよそ7つのチャンクの情報だけ、意識的に関心を向けることができる能力を持っていて、それを超えると、オーバーロードを経験しミスをする可能性が高くなると言うことです。
人の意識の処理がオーバーロードしたときはいつでも、あなたは、無意識に直接アクセスすることができます。そして、その人はその状態を持続しながら、現実を経験しようとします。誰かの注意に対してオーバーロードする一番簡単な方法は、複雑な内なる体験に注意を払わせるようにすることです。あなたは、彼らのすべての表象システムを含めることによって、これを創り出すことができます。必ずすべてのシステムが関わっているようにします。
そのためにさまざまな手法がありますが、その1つとして、リアリティ・スタッキング(現実の積み重ね)と呼ばれるものがあります。
これは、1つのストーリーが別のストーリーの中に埋め込まれていることによって、聴き手は、どのストーリーがどれと関わりがあるのか、わからなくなってくるというものです。軽く心地の良いトランスに入れることもできます。
リチャード・バンドラー博士の例
かつて私に、あなたのようなクライアントがいました
(ストーリーが別の人のことなので、聴き手はリラックスしやすい)
その人も、似たような悩みがあって(ペーシング)、彼女も何日も眠れない夜を過ごす原因になっていました(さらにペーシング)。
それは、ある友人に会うまでずっと続きました。そして、彼女は言ったのです。「引き受ける覚悟をしなければならないことは、問題解決にはならないよ」(引用の暗示)。
私の母がよく「あなたが何を言うかはあなたが決めて、そして、それを変えなさい。そして変えられないことを受け入れ、『リラックスして、あなたの人生を進んでいきなさい』と言っていました。」(引用の暗示)
そして、彼女は、彼女自身が何をしていないことにフォーカスをしていたことに気づきました。「あなたが本当に何を望んでいるかを決めることが、さらに大切なのよ」(引用の暗示)と言ったのです。それで彼女が言ったのは…。
話をしているうちに、彼女が誰のことなのか、話がつながらなくなってきます。この中に、ミルトンモデルの間接的誘導パターン、引用、前提などが活用されていることがわかるでしょう。
聴き手は、この自由体は記憶に残らないかもしれませんが、その人自身の課題に対する考え方が変わり、自主的に変化するように作用するのです。
リアリティ・スタッキング エクササイズ
【2~3人グループ】
A:クライアント、B:マスタープラクティショナー、(C:オブザーバー)
- BはAが達成したい成果や現状について、望ましい状態のためのよくまとめられる条件を満たしているように、簡潔に引き出していきます。
- BはAの状態に合わせて、ミルトンモデルを使い、リアリティ・スタッキングを作ります。
- Bはストーリーの中に1つ以上のプロセスの指示を埋め込むようにします
例)「そして彼が~をしているところです。」と言ってクローズする。 - Cはその作ったリアリティ・スタッキングの内容を、Aに返して反応をキャリブレーションし、AやBからフィードバックを受けます。