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新田啓司の声で始まった今回の対談。ミトスとの二人きりの時間が、いつものように漫画の話から始まった。「漫画読まないって言ってたよね、確か。あんまり今は読まないって感じかな」
私がそう言うと、ミトスが少し考えるような間を置いて答えた。
「漫画読むのも、なるほど。漫画は昔からやっぱ読んでるんだけど、何の本を残すかっていうのがちょっと子供が生まれてから変わりまして」
「そうそう、場所がなくなって読まなくなったかな」
「なるほど。なんか逆に限られてるから」
「そうですよね、すぐ。なのでどんどん捨てる。もう飽きたら捨てちゃおうかなと思ってて」
「捨てるとか売るとか」
「はいはいはい。ただ手元に残しておきたいのはやっぱ子供に将来、そのまま読んでもらいたいなっていう。経営の本は残してる。なるほど。でもそんなないかな」
残すもの、手放すもの
ミトスの話は具体的だった。ワンピースを1巻から100巻ぐらいまで買って、箱買いで揃えていたこと。SPY×FAMILYや井上雄彦さんのリアル、バガボンド。スラムダンクの作者として知られる井上雄彦への言及は自然だった。
「逆に子供に見せたら悪影響だなっていうのをいくつか」
「そんな本あるの?」
「ブラックラグーンとかわかる。あの子ロシアの話。これっていうか、アニメもやってる、やってた見たよ」
「ちょっと子供の教育上よくないなという。ちょっと言葉遣いが悪い。使いも悪いし、中でガンガン人が死ぬっていう」
友達ゲームという作品についても、「人を騙す系が好きなので、あんま子供には見せれないなっていう」と、ミトスは自分の趣味を客観視していた。
処分という選択
「この間の手帳サークルだっけな、話したの。本を売るサービス」
「本を売るなら、違う、違う。ほぼほぼ何であるかがあるっていう最近テーマがあるね」
「ブックオフは個人的に好きではない。安く買われちゃうって。ごめんごめん。配送するダンボールに詰めて配送したら、それを買い取ってくれるってサービスがあって」
終末のワルキューレ、逃げ上手の若君。中途半端に買って、途中で止めてしまった作品たちの名前が挙がった。
「最近多いよね、何とか何とかっていう」
「似たタイトル多いなと思うんだけど」
そんな軽い脱線を挟みながら、話は続いた。
不朽の名作という基準
「逆にあのドラえもんとかさ、昔からのいわゆる名作というか、不朽の名作的なのは、手元に残しておきたいなっていうのはちょっと思って」
「ドラえもんもあるんよ。普通のコミックじゃなくて、映画版とかの、なんかそれだけのコミックがあって」
「そんなんあるんや、どっかに転がってる。そうそう。いいっていうのはちょっと子供にゆくゆく見せたいなっていうのを思ったりしてるかな」
私の息子がドラえもんをコンビニで買っているという話になった。
「だからもうバラバラで何冊とか」
「どっから読んでも楽しめるからね、ある意味」
宇宙兄弟への想い
「うち、宇宙兄弟買いたくて、今悩んでる。漫画アプリで途中まで読んで、とてもどハマりしまして、私が」
「これは子供に残したいなと思って。ちょっといつかとか、ちょこちょこ一気に全部ってなるとあれなので、ちょこちょこ買ってスペース作ってっていうのをしようかなと思いつつ」
「なんか熱い系結構好きだね」
「アニメ見たけども、アニメもね、結構宇宙に行って大変になるところらへんまで。ちょっと疲れてきた」
私の現在地
「今もう全然ない。家には漫画0」
「0なんだ。でもKindleには、ちょこちょこいくつか好きな作品三つぐらいあるかな。1個はちはやふる」
「ちはやふる、ちゃ好きでもあった」
「全巻ある?50か」
「ちはやもうね、長すぎて、多分30巻ぐらいまで集めてたんだけど挫折して」
「千早は好きだったのですけど、めちゃくちゃ面白いのよ。本当」
百人一首という扉
ちはやふるから百人一首への興味が生まれ、次男の名前を百人一首の歌人からつけたという話になった。
「藤原兼輔っていう34番。『誰をかも知る人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに』っていう」
「そっからつけて」
「めっちゃ好きやね」
「そっからすごい好き。百人一首の解説をしてる本が、鰻全高さんっていう人が書いた本がめちゃくちゃ面白くて」
私は興奮気味に説明を続けた。単純にその歌を紹介していくだけじゃなく、なぜ百人一首というのを作ったかとか、入ってる歌の順番の意味、歌人の背景を踏まえた解釈の話。
「これ書いた人はこういう人やから、この歌はこういう恋の歌じゃなくて、こういう歌なんですとか」
「それも100首説明している本があって」
「こんな太い本やけど、めちゃくちゃ面白い。これが全然我々が思ってる百人一首の意味と違うっていう」
暗い作品への傾倒
話は私の好みの変化に移った。
「よつばととかもすごい。よつばといいね」
「確かに。その前のあずまんが大王っていうのが」
「兄弟ファンやて」
「それが終わってよつばとでたから買ったけど、ペースも遅いし。なんかいつも話一緒って言ったらおかしいけど、日常系のゆるゆる系の方が飽きてきたのもあって、場所もなくなってきたからちょっともう諦めた」
「多分知らないと思うんやけど、悪の華っていう」
「知ってる知ってる知ってる」
「押見さんだっけ」
「前の会社の先輩にすすめられて、アニメみたいな。あれをって」
「あれ、すげえ口の悪い女の子が出てくるし。くそ虫が出そうだよね」
「なんか見てたな、確か。あれが前科持ってるんやけど11巻まで」
「めちゃくちゃ面白かったよね」
「最初衝撃受けたけど、アニメ途中でね、4巻ぐらいまでしかないので」
人間の暗部への関心
「全然おすすめらしいねんけど、アニメで一番自分が響いた作品かな」
「その先輩によっては変態って言われたけどね」
「変態は自分ってなんでこんな作品ハマる気持ちはあって」
会社を辞めるときの話になった。悪の華を教えてもらったことが、その先輩に出会えてよかったことだったという。
村田沙耶香の話、一穂ミチの話。結婚式の前日に新婦の旦那さんが盗撮して捕まるという話。
「理性で抑えてるけど、本当にみんな人間の中にあるちょっとした変な欲望っていうか。社会が押さえつけてるし法律が押さえつけてるけど、そんなんがなかったら、こうなってしまうんじゃないかっていうところを言っちゃった人の話っていうか」
ギャングースという現実
「やっぱギャングース。ギャングース知らないな。これは実際にいるあの半グレの話やねんけど」
「それはどっち?漫画でも?」
「そうそう漫画」
ジャーナリストの取材を基にした作品で、親がいなくて半グレみたいになった人たちの話。注釈が横についていて、実際の体験談が書いてある。
「お腹すきすぎて芳香剤食べて死んだ人とか、なんかそういう」
「何日もずっと家で寝れてなかった子が、突然ベッドのホテルとかで寝ると足がパンパに入れるとか」
「それで何が、今こういう人は意外とあなたの町のちょっと外れたところにいますみたいな話やってて」
心理学への興味
「あと最後おまけで、訪問来栖っていう」
「あれ訪問来栖も多分ね、手には取ってるんだよね。中身は読んでないけど」
「自分は心理学の講師とかもしてるから、その潜在意識の使い方っていうか見え方みたいなんが、ちょっと昔勉強してた先生が監修して書いてる」
「話も面白いねんけど、そういう心理学の扱い、潜在意識の扱いみたいなところも結構解説本も同時に出てるから、それはそれと合わせて面白いっていうか」
勉強としての漫画
「ナルトとかワンピースみたいなのも昔って読んだっていう感じかな。よりもなんかこういうドロドロした黒いやつとかの方がいいもうかな」
「あとはたまにあれ、ドラゴン桜の三田さんのやつとか、テーマが面白そうだったり思って感じかな」
「インベスターZとか」
「任命したもんね確かに、なんか面白そうだなと思って。勉強になるって感じかな」
エンゼルバンクの話になった。
「エンゼルバンクとなんていうかな、マネーの拳」
「エンジェル版がファンの方がいたら申し訳ないけど、話は面白いと思うんだけど、あんまり好きじゃなくて。何か入り込めないなと思う」
「そこは割り切って、好みを並べるんじゃないと思うけど」
ドラゴン桜からの学び
「ドラゴン桜はドラマも見たけど、面白かったというか、役に立ったね。勉強、子育ての面ですごい役に立った」
「なんか一番役に立ったなと思うのは、ほら、我々親は子供と接する時に、なんか7時になったらテレビは終わりだからねとか言うじゃない。でもちっちゃい子って7時だっていう論理がわかれへんから」
「あの論理の地点をわかるところまで行かないと、論理使うのは無理みたいな話を桜木先生がするんやけど、確かにそうやなと思って」
兄弟で年齢差があるときの話になった。
「上の子は論理がわかるけど下の子は論理がわからないんです。そうすると上の子は賢いけど下の子阿呆みたいな、そういう間違った見方。それはその論理がわかるその転換点に来てないのが下の子で、わかるようだったら上の子やから、上の子が賢いわけではなくて、下の子がまだそこに到達してないだけみたいな」
「確かにそりゃそうだよね。そうやなみたいな。そういうなんか、普通に考えたらそうやなみたいなのが勉強法とかもそうやし」
自然な出会いへの憧れ
「何かあるかなと。何か他のパパ育のね、人の漫画でもいいからおすすめ本をやっぱ知りたいなっていうのは。漫画でも漫画結構最近はね、そういう単純に子供が見てっていうだけじゃなくて、何か深いやつも結構たくさんあるもんね」
「本当は何かあの、自然に出会いたいなというかさ」
「自然っていうね」
「やっぱ何、調べて例えば感動するとかさ、子育てに漫画とかで調べちゃうと、それ前提で入っちゃうじゃん。そうじゃなくて自然と手に取って、これすごいいいじゃん、ていうのが理想なんだけど」
「運命だよ」
「そうなんすよ。本が多すぎて、そこに行き着かないっていう。その書店でね、手に取るっていうのも含めて」
ちはやふるという例
「千早とかも多分そうだと思うんだよね。読んでて面白いからはまってって最終的にそうなったと思うんだけど、最初の一、二巻で挫折しちゃった人はさ、これ合わないなと思った人はそこまで行き着いてないわけやな」
「そうそう」
「かと言って何か千早百人一首面白いとかで事前情報仕入れて読むと、何かそれはちょっと違うかな、みたいな。そういう点で自然と出会いたいなっていうのはあるんだけど、いやあ、難しいっすね」
「なんかそれはなかなか難しいな。もうこうなると思う」
「去っていく、どんどん」
「ひたすら数打ちゃ当たるじゃないけど、数を打たないとあかん戦法やな」
「そうなんっすよね。勇気いるしね、これもしおもんなかったらどうしようって」
「そう。わかる。それこそさっきのドラゴン桜じゃないけども、全部自分これ駄目かもって思っちゃったら、その先にはいかないしね」
漫画と小説の違い
「なんかそういう点で漫画の方がちょっと難しい気がしてて」
「と話すとっていうのもあるし」
「小説とかっていわゆるあらすじとか、ちょっと読んでとか、パラパラっと目次見てとかで、なんか良さそうとかってちょっと思うけど」
「そうやな」
正直不動産の話になった。
「正直不動産とかも何か勉強として見ちゃうから、なんかもう不動産家とか探してたから不動産の勉強しよう。あれ面白い、嘘はつけない」
「不動産屋さんで面白い。勉強にもなるし」
「不動産って情報が多いからこそ、法外なよね」
「地面師たちもそうやけど」
実際の不動産探しの体験談が続いた。全部言わない、後々出してくる手数料、法律の解釈の違い。
「嘘つけない不動産、なんか面白い」
「ていうかなんかでも展開できんのか、そん何パターンもできんのかなと思ってます」
ちはやふるへの深い愛
「ちはやふるかな」
「千早ね、ちはやふるの話したいわ」
Bluetoothの接続トラブルを挟んで、話は再開した。
「そう、ちはやふるね、すごい好きな詩羽やね」
「30階って結構行ったんじゃない。結構覚えてない、覚えてないとこもあるけど」
ネタバレを含む具体的な試合の話、新と太一の対戦、クイーン戦、名人戦。記憶が曖昧な部分もありながら、二人の会話は続いた。
「アニメは泣くとこいっぱいある」
「アニメはどこも完結。最後までいく?ちゃんと」
「アニメはね、いや最後まで全然行かない」
「20巻ぐらいまでかな。でも全然」
アニメの終了地点について詳しく話し合った。3年の夏休みまで、修学旅行、静岡の一番強い高校への合宿。
「これもそんな人気だったら続編では最後までやんないんだよね。どうなんやろ、アニメってね、お金の問題があるから。確かにね、アニメ見せて本続き買わすっていうのが、あるから。もう終わっているとアニメになりにくいっていうね」
「続いてたらまだ続刊買わせたいから。確かにあれやけど」
「多分アニメで見るかなと思った」
「アニメはすごい綺麗やしね」
「めっちゃいいと思う」
海外の子育て本
話は本屋の話、オランダ人の子育て本の話に移った。
「見通しさんがおすすめしてくれたオランダのなんちゃら」
「ブランドはい、オランダ人の一休のなんちゃらかな。だけどまだ読んでなくて」
「あれおもしろそうやね」
「あれは面白かった。面白かったな」
「あれね確か図書館で借りて」
「オランダ人のシンプルなすごい子育て」
「やっぱね海外の人の子育てって言って面白いなって思う。その土地の、何だろう、習慣というかっていうのもあったりとか。ルールも違うし」
「なかなかね真似したいとこもあり、自分のようにできないみたいなもんな。なんかもう全体の空気という空気感というかね、ていうのもあるし、ただそれ読むだけでもやっぱ面白いなっていうのあるしね」
科学的アプローチの誘惑
「にったん、中野信子さんとか好きそうだよね」
「知らない。あれ」
「科学がつきとめた運のいい人とか、多分ね。これ心理系の人なのかな、中野さんて何の何の人なんだ」
「脳科学者、脳科学者医学博士」
「その運がいいとか、っていうのを科学的に解説してるっていう形が多い。多分好きなんじゃないかな」
「Audibleあるからちょっと聞いてみ」
メンタリストDaiGoの有料チャンネルの話になった。
「あの人本ばっかり読んでて、それをようやく自分のために要約するチャンネルみたのやってて。なんかこういう例えば、運をテーマにした本を50冊読みましたって、中からわかったことをまとめてますみたいな、そういうやってる」
「でも結局何か自分のやり方みたいのをどっかで見つけないと、テクニックを自分で想像しないとあかんなって」
「なるほど。小説とかの方がなんか意外と、なんて自分に落ちてきたりするからいいなっていうというのがここ最近の感じですね」
男性の陥りがち
「本ノウハウ本を漁ってたけど、子育てしたらさ、科学的な子育てってなくないって思え。家事もないとないよね、ないのに男性は特に何か科学的とか、なんていうの、そういうのすごい求めちゃうっていうか。何か確立されたノウハウはどっかにある、てなんか思っちゃうっていうか。それがないからうまくいってないんだっていう幻想にとらわれる」
「わかるかな」
「わかるわかる、確かにそう。それで論文とか科学的技術とかを求めていっちゃいすぎて、その目の前の子供から乖離していくっていう」
「それ行ったり来たりできたら当然やけど、わかるんです。気をつけてる。そっちに行きすぎても、どんどん何か主観的になりすぎるし」
「そのバランスは結構気をつけてそうだよね、と思う。多分そういう点でやっぱ何だろう、女性の方が直感的というか本能的というか、絶対そういう傾向として、子育ててるよなって思うんだ」
「あるってよね、やっぱそうやね。こんなちっちゃい子にそんな法則性なんかほとんどないはずやねんけど、そもそも目の前の1人にしっかり向き合う。多分効率がいいっていうか、確かに確かに、おかしな表現やけど」
「だからなんかね、法則性が見えなくてイライラするみたいな、なってくるじゃない。それはあるかもしれない。するからこういう中野信子さんのような方が駄目って動くことじゃなくて、偏らないようにはしてるっていう。バランスはね、確かにそう」
「なんか甘いもん食べた後に酸っぱいもしょっぱいも欲しくなるみたいなノリで、小説ばっかり読んだ後はノウハウに行ったりとか、何かする」
「それは大事だよ。確かにそうやね、と思ったりとか」
浅く広く
「でも結構たくさん読んでるんやね。本当にジャンル問わず」
「結構身として読んでますよって言ってたから、本当に浅く広くかなっていう」
「なんか今日出てない名前とか作家さんの名前とかもたくさんあるし」
「そうやね」
「次に取っといてくれたら撮っときますか」
「そんな感じで今日は閉めます」
「楽しかったです」
「楽しかったです、またやりましょう」
「だけど、ね、バイバイ、ありがとうございます。バイバイ」
長い対談が終わった。漫画の話から始まって、子育ての話、科学的アプローチへの警戒、そして自然な出会いへの憧れまで。何かを決めるでもなく、答えを出すでもなく、ただ話し続けた時間だった。

